その手の中に、それぞれの月日 #01 | 山藤(やまとう)| 老舗の職人が作る日本製の革財布

その手の中に、それぞれの月日 #01

その手の中に、それぞれの月日。

その手の中に、それぞれの月日。

お財布の数だけ、刻まれた記憶がある。
傷のひとつ、色艶の変化、お札を納める所作。
道具は、使い手の生き方を映し出す鏡かもしれません。
異なるお財布、異なる人生。
私たちがお届けしたお財布と、お客様が共に紡いできた日々の記録。

旦那様と、いつも一緒に。

元浅草アトリエに「こんにちは」と柔らかな笑顔のお客様。

「こちらのお財布を使っているんです」と、ヴァレンシアのLF長財布(ボスコグリーン)をそっと見せてくださいました。艶が増した革には、毎日の暮らしの時間が静かに重なっていて、カバンの中でついてしまったボールペンの跡さえも、「それも思い出なの」と大切に受け止めてくださっているのが伝わってきます。

今日は「もう少し小さめのお財布が欲しくて」と、久しぶりに足を運んでくださいました。

山藤の革財布

店内でいくつか手に取りながら、ふとお客様が鞄の中を探して、もう一つのお財布を取り出されました。

「もう一つ持っていてね。これは旦那のなんだけど、今年亡くなってしまったのよ」

そう言って見せてくださったのは、ブライドル二つ折りカード札入れ。長く使われているのに、きちんと手入れをされてきた革は凛としていて、とても綺麗でした。

「彼はね、磨きながら大切にしていたの。私もこの前、磨いてあげたんだけどね」

指先で革を撫でる仕草に、言葉にしきれない想いがにじみます。

大切に手入れされたブライドルレザー

カードケースとして使われているそのお財布を、お客様は静かに握りしめて、こう教えてくださいました。

「彼が大切にしていたこのお財布を、私が持ち歩くことで…いつも一緒にいる気がするの」

故人の持ち物をどうしたらいいのか、迷われる方からご相談をいただくことがあります。けれどこの日のお話を聞いて、

「想う気持ちと一緒に、そっと持ち歩く」

そんな選択も、きっと優しくて温かな形なのだと、改めて教えていただきました。


この記事に登場したお財布

ヴァレンシア L字ファスナー長財布

お客様に豊かな艶をお見せいただいた、ボスコグリーンの長財布です。毎日の暮らしの時間に静かに寄り添います。

商品詳細はこちら

ブライドル 二つ折りカード札入れ

時を経ても凛とした美しさを放つ、手入れを重ねるごとに愛着の湧くブライドルレザーの札入れです。

商品詳細はこちら

この記事を書いた人

オンラインショップ マネージャー 山本

オンラインショップ マネージャー 山本

お客様は新しいお財布に、フィーロマルチパーパスのリーノピンクをお選びになりました。生活に変化がある時、それはお財布の替え時かもしれません。ふと、なんだかお財布を変えたいなと思った時、山藤を思い出していただけたら嬉しいです。

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