「立ち止まりたくなる」ウォレテリアの秘密
「何の店ですか?」 人形町ウォレテリアをオープンした当初、店の前で立ち止まられた方々によく尋ねられました。「革製品の専門店です」と説明すると、皆様少し驚かれる様子。神楽坂ウォレテリアを開店すると、同じことを街の人に聞かれました。モダンでいて、どことなく和を感じさせるデザイン、そこに革製品が置かれていることが目新しく映るようです。
山藤の直営店はどちらもインテリアデザイン事務所「FOAT」に設計をお願いしています。今回のMAKERSでは代表でありデザイナーでもある吉本さんにお話を伺いました。
人形町店はバックヤードを入れて10坪ほどの極小店舗。カウンターを中心に、空間が二つに別れている変形的な作りですが、「店の中をお客様が自然に回る『流れ』を作り出すことが重要なんです」と吉本さん。
なるほど、小さな空間でも動くことができれば人間は圧迫感を感じない。玄関に向かって真正面ではなく、斜めに設えられたカウンターも、新規のお客様には入りやすく、地元のお客様からは私の顔が見えることで安心していただける作りになっているそうです。
神楽坂店は、店の中央で存在感を放つアイアン台や、商品棚の銅板などの異素材が、まず目を引きつけます。使用するうちに徐々に変化してゆく素材が、店舗に魅力を与えていくことを意図したデザインになっています。
マルチパーパスシリーズ