公開日:2022年4月8日 更新日:2024年2月9日
革財布を購入したけれど、どのように手入れすれば良いかわからないと悩む方も多いのではないでしょうか。革財布の手入れ方法を間違えると、かえってシミや傷になることもありますので、正しい手入れ方法を把握しておきたいところです。
本記事は、革財布を手入れしたい人向けの内容となります。道具や手入れの手順、具体的な方法などを網羅的に解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次 |
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01.革財布のお手入れ・メンテナンスに必要な道具 |
02.革財布のお手入れ・メンテナンス方法 |
03.【パターン別】革財布の汚れが多い場合のお手入れ・メンテナンス方法 |
04.革財布にクリームケアが重要な理由 |
05.革財布のクリームケアで気を付けたいポイント |
06.革財布のお手入れ・メンテナンスの頻度はどれくらい? |
07.まとめ |
革財布の手入れを行いたいと考えている人がまず悩むのは、「どんな道具を購入すれば良いのかわからない」ということでしょう。ここでは、お手入れ・メンテナンスに必要な道具を4つ紹介します。
まず、手入れをする前にレザーの表面の汚れをしっかりと落とす必要があります。その際に使うのが「革用のブラシ」です。ブラシの質感としては柔らかめの馬毛ブラシの様なものがよく、革に傷をつけることなく汚れ落としができます。
革の毛穴の汚れなどを掻き出すにはブラシが最適ですが、簡易的に表面の手垢や汚れを取り除くだけであれば、布(コットン100%)でも代用可能です。
また、上級者向けの製品として豚毛ブラシというものも販売されており、こちらはクリームを革に馴染ませやすいため、ツヤ感を出したいという方にはおすすめのブラシとなっています。ただし、コードバンなどの革に使用すると傷が付く原因になる為、どんな革にも使いやすい馬毛ブラシの方が万能と言えそうです。
革用のオイルはラナパーレザートリートメントなど無色のオイルがおすすめです。こちらのオイルを使用することで表面をしっかりと保湿し、コーティングしてくれるほか、革を柔らかく仕上げてくれるという特徴があります。
少し値段は上がりますが、植物性オイルを使用することで革をしっかりと馴染ませることができ、相性が良いです。
ただし、オイルをレザーケアに使う際、革の種類やオイルの種類によっては革に油シミが出来てしまう可能性があります。よって、オイルは初心者には不向きなケアと言えるでしょう。 クリームタイプであれば、油分と水分のバランスが良く、オイルよりもゆっくりと革の表面に浸透する為、油シミが出来にくいという特徴があります。初めてレザーケアを始める方にはクリームタイプがオススメです。
布は革に汚れがついたとき等に乾拭きをするために使用します。汚れを取るときも、革を傷つけないようにやわらかい布がおすすめとなっています。
また、無色の布を購入するのがおすすめです。有色のものを使用すると色移りする可能性があるためです。ちなみに、一般的な布目の細かなタオルや使い古した白地のTシャツなどでも代用できます。
ファスナーが使用されている革製品は多いです。そのような製品を使っている場合、メンテナンスグッズとして効果的なのが、ファスナー用の潤滑剤です。
ファスナーの滑りが悪いと財布のファスナテープに負荷がかかりやすく、革財布の使用感が悪くなってしまいます。また、故障してしまうと修理費が高額となってしまうケースも多いです。滑りが悪い場合はファスナー用の潤滑剤を使用してケアしましょう。ちなみに、無色のロウソクなどでも代用できます。
上記で紹介した道具を購入したら、メンテナンスを行いましょう。ここでは、革製品のメンテナンスにおける正しい手順を紹介します。
まずは、馬毛ブラシや豚毛ブラシで、革の表面と毛穴に入り込んだ汚れやほこりを取り除きます。汚れやほこりがついた状態でケアをすると、部分的に汚れが目立ったり、うまくケアできず劣化が進む原因となります。
ブラシがない場合は柔らかい布でも代用できるので、軽く表面の汚れを拭き取りましょう。また、馬毛・豚毛ブラシでブラッシングした後には革の表面に油分が浮き出てくる場合もあるので、乾拭きすることも忘れないようにしたいです。
次に、布を使用して革用オイルやクリームを表面に塗り込んでいきましょう。ブラシを使う場合には豚毛ブラシを使うのが望ましく、馬毛は乾拭き用、豚毛はクリームを塗る用として分けておくのが最も良い方法です。
豚毛ブラシはコシがあり、クリームを塗るのに最適ですが、2つのブラシを購入するのは費用負担が大きいので、無色の布を使用するのが良いでしょう。ブラシを使ってクリームを塗り広げるのは難しい為、布を使うことで塗りムラも防ぐことができます。
財布の手入れをする場合は、米粒程度のオイルやクリームをブラシまたは布にとり、すばやく全体的に広げます。革の一部分に染み込まないように塗り込むことが綺麗に仕上げるコツです。(製品の大きさによって使用するオイルやクリームの量は異なります)
オイルやクリームを表面に塗ったら、通気性の良い日陰で自然乾燥させましょう。乾かす時間としては15分~1時間程度が目安です。
最後に革財布を乾拭きして、表面に残ったオイルやクリームを取り除きます。革用のクロスを使用するか、Tシャツの切れ端などの布を使用するのが良いでしょう。
もし、この段階でクリームが足りない(ツヤ感や足りない)と感じる場合やカサつきが気になる場合には、オイルやクリームを追加してウェット感やツヤ感を出すことも可能です。この工程が財布のクオリティを決めますので、慎重に手入れすることが大切です。
ここまでは通常の手入れについて紹介しましたが、革財布の汚れが多い場合には別の手入れ方法を行う必要があります。
ひっかいた跡のような細かな傷がある場合は、クリームを塗りこんでブラシでブラッシングすることで多少の改善が可能です。クリームを塗布したあと、馬毛もしくは豚毛で丁寧にブラッシングすれば傷が目立たなくなります。
クリームを塗り込む場合には豚毛を使用するのがおすすめです。馬毛よりもコシが強くクリームが馴染みやすいという特徴があるからです。しっかりとクリームを浸透させることができれば、革の繊維が馴染み、傷が目立ちにくくなります。
ただし、コードバンなどの革に使用するとさらに傷が付く原因になる為、その場合はTシャツの切れ端などの布を使用しましょう。
雨や水をこぼすなどの影響で水シミができた場合も革の種類にもよりますが多少解消できます。水分の浸透具合によってもケア方法は異なりますが、それほど水分が染み込んでおらず、水ぶくれになっていない段階であれば、まずは布やティッシュで素早く水分を吸い取りましょう。
濡れたまま放置していると水ぶくれの原因になったり、革が傷んでしまいます。表面が乾いてからクリームを塗り、コーティングしましょう。ちなみに、ドライヤーで乾かすことは急激に水分が蒸発して乾きすぎるため厳禁となっており、風通しの良い場所で自然乾燥させましょう。
革財布は経年劣化などで色落ちしてしまうこともあります。このような場合、レザーマニキュアや色付きレザークリームを活用することで解消できるケースがあります。
レザーマニキュアや色付きレザークリームとは、革に色を付けるための専用塗料のことを指します。革の色味に近いものを使用することで、色落ちした部分をしっかりと補修できるのです。
色がマッチしていれば、塗った部分をしっかり見ないと気づかないほど綺麗に仕上げることが可能ですが、レザーケア初心者にはケア用品選びや色選びがやや難しく万人におすすめとは言い切れません。
普段から常に触っている財布は、手垢や油分で汚れることがあります。このような場合にはレザークリーナーを活用することで表面の余計な油分を除去できるでしょう。
しかし、革についた頑固な汚れは取り除けないこともあり、無理して擦ると逆効果となってしまう場合があります。このようなケースではクリーニング業者に依頼することも一つの選択肢です。
革財布にオイルケアやクリームケアが必要な理由は以下のようなものがあります。
●革が固くなりにくい
●革が柔らかくなる
●傷が目立ちにくくなる
●汚れやカビを除去する
●水分や油分を程度に保つ
しっかりとオイルやクリームで保湿することで、長期間にわたって革財布を綺麗な状態に保つことができるのです。
革財布のオイルケアやクリームケアで気をつけたいことは2つあります。
1つ目はあらかじめ目立たない箇所で、色落ちやしみにならないかを試すことです。オイルやクリームと革の相性が悪いと、仕上がりが汚くなってしまいます。財布で言えばファスナーの裏側など、目立たない部分で試してみることが大切です。
2つ目は雨でぬれてもドライヤーで乾かさずに、通気性の良い日陰で自然乾燥させてオイルケアやクリームケアをするということです。革に含まれている水分を過剰に乾かすことにつながるので、自然乾燥を徹底しましょう。
革のメンテナンスは月に1回程度がおすすめです。革によっては新品の場合、半年~1年は手入れ不要のものも多いですが、それ以降は月一回程度が好ましいです。
また、油分がなくなり乾燥し始めたら革財布の手入れのサインとなっています。
本記事では、革財布ケアの道具や手入れの手順、具体的な方法などを詳しく解説してきました。革財布はしっかりとケアすることで美しい状態を保つことができます。そのため、ケアは欠かせません。
ぜひ本記事の内容をもとに、革のケアについて考えてみてください。
山藤では革製品を主に扱っています。自社製品のため、アフターケアが充実しています。長期間にわたってお気に入りの革製品を使い続けられるはずです。
また、セミオーダーで他社にはないオリジナルで開発した革を使った製品もありますので、ぜひオンラインショップを覗いてみてください。
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会社名:株式会社 山藤
部署名:生産・デザイン・広報
執筆者名:山本みなみ
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):日本鞄ハンドバッグ協会 紳士小物 技術認定(皮革部門)3級
SNSのリンク:https://www.instagram.com/tokyo_yamatou/?hl=ja
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